解決すべき課題
タイガービールのアイデンティティはトラである。一方、2016年時点で野生のトラは生息地の喪失と違法なトラ取引により推定3,890頭まで減少していた。ブランドはただスポンサーになるのではなく、この問題と闘うことを望んだ。
アイデア
トラにちなんで名付けられたビールが、自らのトラを手放す。アイコンはラベルから消え、6人のアーティストがファンのセルフィーを失われたトラに変えることで、投稿のたびにそのイメージが補充されていく。
仕組み
タイガービールは84年ぶりにロゴからトラを撤去し、100万ドルの寄付を伴うWWFとの6年間のグローバルパートナーシップを開始、さらに世界各地の6人のアーティストにトラのセルフィー用背景を制作させた。ファンは#3890Tigersのセルフィーを投稿してトラを再び世に流通させ、著名人たちはプロフィール写真を外してトラとして再登場した。2018年にはKenzoとの「Rare Stripes」ファッションコレクションへと展開した。
成果
#3890Tigersのハッシュタグは2017年の世界トラの日に合わせて著名人の参加とともに世界へ広がり、100万ドルの寄付は2022年までに野生のトラを倍増させるというWWFのTX2目標を支え、この作品はカンヌライオンズのThe Workライブラリに収蔵されている。
背景
2016年、世界の野生のトラの個体数は最も良い推定で約3,890頭とされ、生息地は90%以上縮小し、トラ製品への需要が依然として密猟を助長していた。1933年からラベルにトラを掲げてきたシンガポールのラガービール、タイガービールは、正直な対応とはトラのいない世界がどんなものかを自らのパッケージで示すことだと考えた。
2017年に開始された「3890 Tigers」キャンペーンは、タイガービールのブランディングから84年ぶりにトラを撤去し、2022年までに野生のトラの数を倍増させるTX2目標を掲げたWWFとの6年間・100万ドルのグローバルパートナーシップを後押しした。一般参加の仕組みはセルフィーだった。異なる国の6人のアーティストがトラに着想を得た背景を制作し、ファンが#3890Tigersのセルフィーを投稿することで、失われた動物がソーシャルフィード上に再び満ちていった。世界トラの日には、メーガン・フォックスやザカリー・クイントを含む著名人たちがプロフィール写真を削除し、トラとして再登場した。
キャンペーンはシンガポールでの公開アート展で幕を開けた。委嘱されたアーティストのニック・ジェントリーやホア・トゥナンらは、10年前に最後のトラが目撃されたカンボジアのスレポク野生生物保護区を訪れ、その体験をキャンペーンのアートワークに変えた。2018年にはアイデアはファッションへと広がり、同じWWFパートナーシップのもとでKenzoとの「Rare Stripes」コレクションが生まれた。
なぜ響くのか
ブランドが自らのアイコンを犠牲にしたことで、本物のトラへの脅威が店頭で実感できるものになった。
セルフィーは、一般の人々にトラを「返す」ワンステップの手段を与え、認知を参加へと変えた。
具体的な数字(3,890)が、抽象的な絶滅リスクを具体的で繰り返し語れるものにした。
6年間のコミットメントと100万ドルの寄付により、単発の仕掛けではなくパートナーシップとなった。
学べること
ブランドが実施できる最も強力な社会課題キャンペーンとは、ブランドにとって最も価値ある資産を犠牲にするものである。自らのアイコンを撤去することが、どんなスローガンよりも賭け金の大きさを証明する。
その後
このパートナーシップはWWFのTX2プログラムと並行して6年間の期間を全うし、野生のトラの推定個体数は後に約5,574頭まで増加した。2018年のKenzoとの「Rare Stripes」コレクションはアイデアをファッションへと広げ、キャンペーンはカンヌライオンズのThe Workライブラリに収蔵されている。
出典をたどる
出典
- '3890 Tigers' art campaign with WWF Nick Gentry (commissioned artist) · nickgentry.com
- Tiger Beer — 3890 Tigers (2017) wiki.sg · wiki.sg
- 3890 Tigers — campaign page Lions | The Work · lovethework.com