解決すべき課題
2008年までに日本のウイスキー市場は26年連続で縮小していた。若い飲み手はウイスキーを強すぎる酒であり、食事の相手として不向きだと見ていた。サントリーの角瓶は売上トップのウイスキーだったが、カテゴリー自体が衰退していた。
アイデア
ウイスキーを年配男性向けの強い酒として売るのをやめ、角瓶を食事に合う安価で爽快なハイボールとして再定義し、どこでも完璧に注げるようにした。
仕組み
サントリーは女優の小雪を起用したテレビCMで「角ハイボール」—角瓶、ソーダ、氷—を推進し、居酒屋にハイボールタワーと、生ビールのように安定した味を注ぐサーバーを設置した。2008年に5,000店、2009年に約50,000店と契約し、2009年10月にはコンビニエンスストア向けの缶入り角ハイボールを発売した。
成果
角瓶の出荷は2009年に約30%増の220万ケースとなり、ハイボールを提供する飲食店は4倍の約60,000店に増え、日本のウイスキー市場は11年ぶりの成長が見込まれた。ハイボールは居酒屋の定番飲料となり、他の飲料カテゴリーを復活させる青写真となった。
背景
2008年までに日本のウイスキー市場は26年間縮小し続けていた。若い飲み手はサントリーに、ウイスキーは強すぎて食事の相手として不向きであり、年配男性が寝る前に飲むものだと語っていた。同社の答えは新製品ではなく、既存製品の新しい飲み方だった。すなわち、角瓶ウイスキーにソーダと氷を加えた角ハイボールである。
サントリーは2008年9月に本格始動した。女優の小雪を起用したテレビCMがハイボールを気軽で現代的なものに見せ、居酒屋のハイボールタワーとサーバーが生ビールのように安定したウイスキーソーダを注ぎ、飲食店にはハイボールをメニューに載せるよう働きかけた。2008年末までに5,000店、2009年中に約50,000店に達した。
この提案はカウンターの両側で効果を発揮した。飲み手にとってハイボールはアルコール度数が低く飲みやすく、食事によく合った。飲食店にとっては安価で利益率が高かった。2009年10月、サントリーは350mlの缶入り角ハイボールを追加し、家庭でも同じものを飲めるようにした。
数字は好転した。角瓶の出荷は2009年に約30%増の220万ケースとなり、ハイボールメニューのある飲食店は4倍の約60,000店に増え、日本のウイスキー市場は11年ぶりの拡大が見込まれた。これは人々が飲む時と飲み方を変えることで築かれた復活だった。
成功する理由
サントリーは製品ではなく飲用機会を攻めた。同じ角瓶が、食後の強い酒から食中の軽い酒になった。
ハイボールはバーにも飲み手にも安価だったため、飲食店はすぐに採用し、利益率の高さから推進する価値があった。
機器がアイデアに一貫性をもたらした。タワーとサーバーが生ビールのように毎回完璧なハイボールを注ぎ、技術の壁を取り除いた。
テレビの顔(小雪)とコンビニの缶が、その習慣を居酒屋から家庭へと広げた。
学べること
衰退するカテゴリーを復活させるには、製品ではなく飲用機会を変えること。同じウイスキーを安価で食事に合う形にし、バーでも家庭でも完璧に注ぐことで、新しいボトルではなく新しい習慣になった。
その後
ハイボールブームはウイスキーカテゴリー全体を押し上げた。サントリーはその勢いを活かし、飲み手をロックや山崎、白州などのプレミアムウイスキーへと誘導し、同社のハイボールマシンは後にニューヨーク、シカゴ、ワシントンD.C.のバーにも登場した。角ハイボールは日本でウイスキーを注文する際の定番となり、缶入り版はサントリーのRTD(すぐに飲める飲料)ラインナップの一部として残った。
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出典
- The Innovation and Evolution of Highball Culture at Suntory Suntory · suntory.com
- Highball Fever: How Japan's least fashionable drink came back from the grave Metropolis Japan · metropolisjapan.com
- キリンVSサントリーのハイボール戦争! GLOBIS学び放題×知見録 · globis.jp ·