解決すべき課題
オーストラリアは2023年FIFA女子ワールドカップを開催したが、歴史的に資金不足で注目もされてこなかったマティルダスは、これまでスタジアムを満員にしたことがなく(最高でも収容率43%)、年間政府資金も155万ドルへと減少していた。フットボール・オーストラリアには、注目を持続的な変化へと変えるための大会期間という一度きりの機会があった。
アイデア
マティルダスの「決して諦めない」姿勢——「Til It's Done」——を国の共通言語とし、チームを支えることがすべてのオーストラリア人にとって公平な機会を求める闘いとなるようにした。
仕組み
オグルヴィは選手たちのピッチ外の野心を示すヒーローTVCと大規模なOOHを展開し、その後Instagramを通じてサイン入りジャージーとボールの探索企画を実施した。準決勝敗退後には、チームの達成事項に取り消し線を引き、未達成の項目を残したポスター——「we don't rest, Til It's Done」——をOOH、デジタル、印刷媒体で展開し、スポーツを国民的な対話へと変えた。
成果
キャンペーンのメッセージはベンチマーク13.14%に対し平均想起率61%を記録した。大会後、ホーム戦12試合すべてが完売し、観客動員は収容率43%から100%へと上昇、放送視聴者数は目標48万6千人に対し平均97万人超となった。年間政府資金は155万ドルから3350万ドルへ増加し(4年間で1億3400万ドル)、40万ドルのキャンペーン費用に対して、マティルダスのジャージーは男子の2倍の価値で販売された。
背景
何十年もの間、オーストラリア女子サッカーチームであるマティルダスは男子競技の影でプレーしてきた。半空のスタジアム、お下がりのユニフォーム、そして年間155万ドルへと減少する政府資金である。オーストラリアが2023年FIFA女子ワールドカップを共催したとき、フットボール・オーストラリアとオグルヴィ・メルボルンは、この大会をチームの軌道を根本から変える一世一代の機会と捉えた。
クリエイティブ上の飛躍は、チーム自身の名前にキャンペーンを見出したことだった。「Til It's Done」。この3語は、マティルダスが自らの舞台を得るまで決して止まらないという姿勢を捉え、分断された国に共通言語を与えた。オグルヴィはヒーロー映画と大規模な屋外広告で選手たちのスコアボードを超えた野心を示し、Instagramを通じてサイン入りジャージーの探索企画を仕掛け、準決勝敗退後にはチームの達成事項を列挙し、成し遂げたことに取り消し線を引き、残りを未達成のまま残したポスターを公開した。
結果は構造的なものだった。メッセージはベンチマーク13.14%に対し平均想起率61%を記録し、大会後のホーム戦12試合すべてが完売して観客動員を過去最高の収容率43%から100%へと押し上げ、放送視聴者数は平均97万人超となり、年間政府資金は155万ドルから3350万ドルへ——4年間で1億3400万ドルへ——増加した。キャンペーン投資はわずか40万ドルだった。マティルダスはお下がりのユニフォームから、男子キットの2倍の価値で売れるジャージーへと変わった。
なぜ響くのか
アイデアはチーム自身の名前から生まれ、そのモットーをブランドと不可分にし、模倣不可能なものにした。
チームの闘いを「フェアゴー(公平な機会)」という国民的価値に結びつけ、マティルダスを応援することがオーストラリアそのものを応援することのように感じられた。
敗退後の「達成事項リスト」ポスターは、大会終了後もキャンペーンを存続させ、敗北をより長い闘いへと変えた。
結果は感情面だけでなく構造的だった。収容率100%の観客動員と複数年にわたる1億3400万ドルの資金である。
40万ドルのキャンペーンが269%のROIをもたらし、クリエイティブ・プラットフォーム自体がレバレッジを生み出したことを示した。
学べること
ブランド自身の名前を、観客全体が採用する結束の叫びへと変えること。タイミングの良い一度の出来事は、単なる一週間の話題ではなく、資金、観客動員、文化といった構造的変化になり得る。
その後
このキャンペーンはフットボール・オーストラリアにAPACエフィー賞の記録的な8賞——金3、銀1、そしてグランドエフィー——をもたらし、さらにマーケター・オブ・ザ・イヤーとブランド・オブ・ザ・イヤーを獲得した。スポーツのマーケターとブランドとしては初の快挙であり、オグルヴィ・メルボルンにとって初のエージェンシー・オブ・ザ・イヤー受賞でもあった。また、カンヌライオンズのスポーツ – ブランドストーリーテリング部門でブロンズを受賞し、さらに3部門でショートリスト入りした。この結束の叫びはAFC女子アジアカップ2026を前に再び用いられ、「Til It's Done」をオーストラリアのスポーツ用語として定着させた。
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出典
- 'Til It's Done — ADFEST 2025 case study ADFEST Archive · archive.adfest.com
- Football Australia secures unprecedented eight awards for Matildas' marketing campaign Australasian Leisure Management · ausleisure.com.au ·
- Ogilvy Melbourne and Football Australia score Grand Effie and more adobo Magazine · adobomagazine.com ·
- Ogilvy Melbourne crowned 2024 APAC Effies Agency of the Year plus the Grand Effie for Football Australia 'Til it's Done' campaign Campaign Brief · campaignbrief.com ·
- CommBank Matildas 'Til It's Done Campaign Wins Bronze at Cannes Lions Football Australia · footballaustralia.com.au ·
- 2024 Winners — Til It's Done, The Matildas Effie Asia Pacific · apaceffie.com