2007年までにヤフーはグーグルに押されて勢いを失い、優秀な人材がスタートアップを立ち上げるために次々と去っていた。Brickhouseはその答えだった。サニーベールの本社キャンパスを離れた場所に社内インキュベーターを置き、従業員がスタートアップのスピードで新製品を作れるようにしつつ、スタートアップのリスクは負わない仕組みだった。

企業の中にスタートアップを再現する。SOMA地区の独立した空間、4〜6人のチームが4〜6か月のスプリントで取り組む体制、企業としての給与と福利厚生、そして失敗の低コスト化。

ヤフーはサンフランシスコのSOMA地区にスタートアップ風の空間を設け、ブラッドリー・ホロウィッツの下でサリム・イスマイルが運営し、Flickr共同創業者のカテリーナ・フェイクがビジョナリーとして加わった。4〜6人のチームが4〜6か月間ひとつのアイデアに取り組み、ヤフーブランドの下で製品を送り出した。2年間でBrickhouseは、視覚的なウェブマッシュアップ作成ツール「Pipes」、位置情報プラットフォーム「Fire Eagle」、ライブ配信サービス「Yahoo Live」、ゲーム「BravoNation」を立ち上げた。

製品はこの部門より長く生き残った。Pipesはマッシュアップ時代を定義し、Yahoo LiveはPeriscopeやFacebook Liveより何年も早く登場し、Fire Eagleは位置情報サービスにいち早く取り組んだ。しかし部門はリーダーを次々と失った。イスマイルとフェイクは早々に去り、後任のチャド・ディッカーソンは2008年半ばにEtsyへ移った。2008年12月、ヤフーが危機に陥る中、同社はBrickhouseを年内に閉鎖すると発表した。

2007年初頭、ヤフーはサニーベールの本社キャンパスから遠く離れたサンフランシスコのSOMA地区に社内インキュベーターBrickhouseを開設した。その狙いは、スタートアップの環境——小さなチーム、短いプロジェクト、大企業とは似ても似つかない空間——を、巨大企業の全面的な支援の下で再現することだった。ある初期の訪問者によれば、おおよそ4〜6人が給与と福利厚生を得ながら4〜6か月間ひとつのアイデアに取り組み、失敗しても大した問題ではなく、チームはそのまま次のアイデアに移るか本社に戻るだけだった。

この設計は人材流出を食い止める狙いもあった。そうでなければ会社を辞めて起業するような優秀な従業員が、ヤフーの内部で自分のアイデアを形にできるようにしたのだ。そしてBrickhouseは実際に製品を送り出した。野心的な視覚的ウェブプログラミング手段であるPipes、位置情報を仲介するプラットフォームFire Eagle、PeriscopeやFacebook Liveより何年も前のライブ動画サービスYahoo Live、そしてソーシャルゲームBravoNation。一時期のヤフーは、Variety誌の言葉を借りれば、クールな連中が働きたいと思う場所だった。

しかし親会社より長くは生き残れなかった。リーダーシップは絶えず入れ替わり、サリム・イスマイルとカテリーナ・フェイクは早々に去り、チャド・ディッカーソンは2008年にEtsyへ移った。そしてヤフー自身の危機が深まる中、同社は2008年12月にBrickhouseを年内に閉鎖すると発表した。TechCrunchの評はこうだった。イノベーションは企業の織物に埋め込まれるべきであり、サンフランシスコの少数の人々に外注すべきものではない、と。

安価な実験:給与と福利厚生が保証されていたため、4〜6か月のプロジェクトが失敗してもコストは小さく、チームは次のアイデアに移るかサニーベールに戻るだけだった。

距離が重要だった:キャンパスから離れた独立した空間により、大組織の一部であると感じさせずにスタートアップのように働け、しかも親会社の流通網を保てた。

離職への答えだった:起業志望者は会社を辞めて外で挑む代わりに、企業の給与を得ながらヤフーの内部でアイデアを追えた。

製品がモデルを証明した——Pipes、Fire Eagle、Yahoo Liveは市場より何年も先を行っていた。周囲の企業がそうでなくても、この部門は革新を続けた。

イノベーション部門は親会社より速く製品を送り出せるが、親会社を直すことはできない。そして親会社が危機に陥れば、その部門が最初に削られる。イノベーションを切り離せば、その効果も切り離される。

Variety誌の2016年の回顧記事は、Brickhouseをヤフーの失われた10年の象徴とした。ブラッドリー・ホロウィッツはグーグルへ去り、Flickrのスチュワート・バターフィールドはSlackを創業し、チャド・ディッカーソンはEtsyの経営を担うことになった。企業内インキュベーターという形式自体はヤフーより長く生き残った。その構造を、グーグルX、Area 120、Microsoft Garageが後に、より多くの忍耐と資金をもって採用した。Brickhouseの2年間は、苦境にある企業が「部屋ごと」イノベーションを買おうとしたときに何が起きるかを示す標準的な事例であり続けている。

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出典

  1. Yahoo To Close Brickhouse By End Of Year TechCrunch · techcrunch.com ·
  2. From Flickr to Brickhouse: How Yahoo Bungled Innovation Variety · variety.com ·
  3. A Look Inside Yahoo! Brickhouse PaulStamatiou.com · paulstamatiou.com ·