解決すべき課題
日本のセレクトショップSHIPS(1975年創業)は2025年に50周年を迎え、「Forever blue, we sail on」をテーマに、同社が「The Best Basic(最高の普通)」と呼ぶ企業姿勢を軸とした。アニバーサリーにはフィルムが必要であり、AI動画という明らかな安価な手段がある中で、ブランドは自らのクラフトの主張を証明する道を選んだ。
アイデア
AI動画を拒否:SHIPSのテーラーたちが約500枚のキャンバスフレームに、リサイクル糸42.5kmを用いて600時間かけて手刺繍を施し、その航海を純粋なアナログ・ストップモーションとして撮影した。
仕組み
博報堂グラビティと博報堂キャビンが開発したCRAFTMAN,SHIPS:約499〜500枚のキャンバスに、SHIPS自社のテーラーたちが、ブランド自身の倉庫から調達した再利用の青い糸42.5kmと未加工のキャンバス端切れを使って手刺繍を施した。その工程にはおよそ600時間を要した。その後、各フレームを撮影し、船の50年の航海を描く100%アナログのストップモーション・フィルムに編集した。アニメーション演出は牧野惇(YOASOBI「群青」の映像で知られる)が担当。キャンペーンは2025年9月5日に、店舗、駅のデジタルサイネージ、東京メトロのトレインジャック広告を通じて展開された。
成果
このフィルムはSpikes Asia 2026でIndustry Craft部門グランプリを受賞したほか、Cannes Lions 2026でシルバー2つ(Industry Craft部門とDesign部門)、ADFEST 2026でゴールドとシルバー、One Showゴールド、Clioゴールド、NYFシルバー、CICLOPE Asia Pacificグランプリを受賞し、50周年を物理的でコレクタブルなクラフトの表明へと変えた。
背景
1975年創業の日本のセレクトショップSHIPSは、2025年に50周年を迎え、「Forever blue, we sail on」をテーマに、同社が「The Best Basic(最高の普通)」と呼ぶ企業姿勢 — 普通の、よく作られたものこそ並外れた手間をかけるに値するという考え — を軸とした。アニバーサリーにはフィルムが必要であり、2025年の明らかな道筋はAI生成動画で、数分で制作できた。
博報堂グラビティと博報堂キャビンは逆の道を選んだ。「CRAFTMAN,SHIPS」はSHIPS自社のテーラーたちによって作られた:約499〜500枚のキャンバスに、ブランド自身の倉庫から調達した再利用の青い糸42.5kmと未加工のキャンバス端切れを使って手刺繍を施し、その工程にはおよそ600時間を要した。その後、刺繍された各フレームを撮影し、船の50年の航海を描くストップモーション・フィルムに編集した。
映像は100%アナログで、刺繍にデジタル処理は一切施されておらず、アニメーション演出はYOASOBI「群青」のミュージックビデオで知られる牧野惇が担当した。キャンペーンは2025年9月5日に、店舗、駅のデジタルサイネージ、地域のJ·ADスクリーン、東京メトロのトレインジャック広告を通じて展開され、短編フィルムを目に見える物理的なクラフトの表明へと変えた。
その賭けは賞レースで実を結んだ:Spikes Asia 2026のIndustry Craft部門グランプリ、Cannes Lionsシルバー2つ、ADFESTゴールドとシルバー、One Showゴールド、Clioゴールド、NYFシルバー、CICLOPE Asia Pacificグランプリ。創業50年の小売業者にとって、このキャンペーンは「クラフト」を主張ではなく物語にした。
評価される理由
AI動画が安価な道筋を明らかにしたからこそ、600時間の手刺繍を選ぶことでクラフトの主張は否定しがたいものとなった — 媒体そのものが証明だった。
外部のアーティストではなくブランド自社のテーラーを使うことで、フィルムはSHIPSの1,100人の従業員とその日々の約束に直接結びついた。
帆布への刺繍は、ブランドの海事にちなんだ名と「we sail on」のテーマを素材そのものに織り込んだ。
アナログ・ストップモーションという形式は、店舗や駅のスクリーンで流すだけでなく展示できる、有形の記念物をアニバーサリーに与えた。
学べること
ブランドの約束が永続するクラフトであるなら、制作手法こそがメッセージとなる:AIのボタンではなく600時間と42.5kmの糸が、SHIPSの「最高の普通」という主張を文字通り真実にした。
その後
キャンペーンは2025年秋にかけて、駅のデジタルサイネージ、東京メトロのトレインジャック広告、そしてビジュアルや歴史コラム、50周年記念商品を集めた特設サイトを通じて展開され、その後も2026年で最も受賞歴の多いクラフト作品の一つとして続いた:Spikes Asia Industry Craft部門グランプリ、Cannes Lionsシルバー2つ、ADFESTゴールドとシルバー、One Showゴールド、Clioゴールド、NYFシルバー、CICLOPE Asia Pacificグランプリ。SHIPSにとって、このカテゴリーの既定路線がAI生成画像だったまさにその時に、創業50年のセレクトショップをクラフトマンシップを中心に再定位するものとなった。
出典をたどる
出典
- CRAFTMAN, SHIPS HAKUHODO · hakuhodo-global.com
- CRAFTMAN,SHIPS HAKUHODO Gravity · h-gravity.co.jp
- 職人の手仕事が生み出した「刺繍アニメーション」で50周年をPR|SHIPS PR EDGE · predge.jp ·