日本では、レジ業務はシフト全体を通して立ち続けることが礼儀ある接客とされている。アルバイトは静かに苦しんでいるが、雇用主も客も立つことを当然と見なしている。

立ちレジの常識と論争するのではなく、家具メーカーと共同で専用の「バイト椅子」を開発し、実際の店舗で座ったままでも接客が機能することを証明させる。

マイナビバイトはギャップを調査し(アルバイトのうち座れるのはわずか23%、雇用主の73%が賛成、客の約80%は気にしない)、椅子メーカーSANKEIと共同で軽量で清潔感のある「マイナビバイト椅子」を開発、ドン・キホーテのレジで試験導入し、採用・定着のデータを求人情報に掲載し、SNSでメッセージを広めた。

1年以内に250社以上が椅子を導入(2024年11月時点で170社、431店舗、1,037脚)。ドン・キホーテは試験導入店舗を11店から19店に拡大。NHKを含む200件以上のメディア掲載、40,000件以上のSNS投稿、そして日本の労働省が立ち仕事の事例として言及。第64回ACC TOKYO PRグランプリおよびPRアワードグランプリ2024を受賞。

日本の小売業では、レジのシフト全体を立ち通すことが普通、さらには礼儀ある接客とされている。アルバイトはそれを静かに耐えている。求人サイトのマイナビバイトは、その「常識」を製品の問題に転換した。レジ係に椅子があればどうなるか、と。2024年3月に「座ってイイッスPROJECT」を立ち上げ、家具メーカーSANKEIと共同で専用の「マイナビバイト椅子」を開発した。軽量でコンパクト、清潔感があり、客の合間に腰かけやすい。

プロジェクトはあえて説教を避けた。マイナビバイトはギャップを数字で公表した。アルバイトのうち仕事中に座れるのはわずか23%である一方、雇用主の73%が座ることに賛成し、客の約80%が気にしないと答えた。そして「座ってイイッス」というメッセージをSNSで広め、参加企業に椅子を無料で提供し、椅子のある店舗の方が採用・定着が良いことを求人情報で示した。

実際の職場が説得役を担った。ドン・キホーテは11店舗で椅子を試験導入し、その後19店舗に拡大。スーパー、ドラッグストア、ショッピングモールも続いた。1年以内に250社以上が椅子を導入した。厚生労働省は立ち仕事の負担調査を開始し、本プロジェクトを事例として挙げた。

この取り組みは第64回ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSのPR部門で総務大臣賞/ACCグランプリを受賞(14名の審査員のうち11名が投票)し、PRアワード2024のグランプリも受賞した。

「労働者に優しく」という道徳的議論を、新しい行動を即座に可視化し検証可能にする物理的な物体に置き換えた。

クライアント自身の資産であるアルバイト求人プラットフォームを流通チャネルとして活用したため、導入と採用のデータが互いを強化し合った。

椅子を無料で提供し数字を公表することで、店舗の切り替えコストを下げ、同業の事例(ドン・キホーテ)に販売を任せた。

このアイデアは自己増殖的である。導入するすべての店舗が、座った接客が普通であることの証明になる。

社会的規範を覆すには、議論と戦うのではなく、新しい行動を可視化する物理的な成果物を作り、実際の職場のデータで証明し、雇用主がそれを採用の武器にできるようにする。

受賞後、導入はさらに加速した。2024年後半には170社、431店舗、1,037脚。1年以内にスーパー、ドラッグストア、モールなど250社以上に拡大。NHKを含むメディア掲載は200件を超え、意見箱には1,500件以上のコメントが寄せられ、SNS投稿は40,000件を超えた。労働省は本プロジェクトを立ち仕事の負担軽減の事例として挙げ、独自の調査を開始。ドン・キホーテは後に自社でレジ用椅子を設計した。また第17回日本マーケティング大賞で準グランプリを受賞し、カンヌ、スパイクスアジア、クリオでもショートリスト入りした。

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出典

  1. 【マイナビ】座ってイイッスPROJECT (Mynavi: It's OK to Sit Project) Hakuhodo Works (The H Magazine) · hakuhodo.co.jp ·
  2. PRアワードグランプリ2024発表、グランプリはマイナビ「座ってイイッスPROJECT」 Massmedian · advanced.massmedian.co.jp ·
  3. 2024 64th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 入賞作品リスト PR部門 ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS · acc-awards.com ·