花王のビオレブランドは、コモディティ化した日焼け止め市場で新たな切り口を必要としていた。製品チームは「日焼けしない」という域を超え、エアゾールの噴射音やべたつく塗布感が塗り直しをためらわせる屋外で、気軽に使えるものを目指した。

音を立てずに噴霧し、肌の上でジェルに変わるガス不使用のミスト。人前でも塗り直せる日焼け止めであり、その感覚を売るようにパッケージを設計した。

本製品はSPF50/PA++++のガス不使用ミストで、肌に触れるとジェルに変化する。パッケージデザインディレクターの鈴木真奈花氏とシニアマネージャーの野村美穂氏は、デザイナー自身の初回使用時の反応——水のようにみずみずしく爽やかなミストと、その滑らかな塗り心地への驚き——を起点にデザインを組み立て、その感覚を店頭で視覚的にどう伝えるかを練り上げた。

2023年2月に全国発売され、初年度に累計670万個を出荷。2023年夏の記録的な猛暑で大きく伸び、花王は本製品がビオレブランド全体の売上成長に大きく貢献し、「屋外での塗り直し」という新カテゴリーを生み出したと評価した。

2023年夏——日焼け止め市場を急速に拡大させた日本の記録的猛暑——の大ヒット製品が、花王が2023年2月に全国発売したビオレUVアクアプロテクトミスト、通称「瞬感ミストUV」だった。累計670万個を出荷した。

製品の核心は新しい仕組みにある。スプレー式日焼け止めから進化したガス不使用ミストで、1プッシュでローションを肌に噴霧すると、すぐにジェルに変わってムラなく均一に密着し、SPF50/PA++++の高いUVカット性能を備える。ガス不使用のため噴射音がせず、人前でもさりげなく使えることから、花王は「外出先で塗り直す」日焼け止めという真に新しいカテゴリーを生み出した。本製品はビオレブランド全体の売上成長に大きく貢献した。

デザインの物語はデザイナー自身の反応から始まる。パッケージデザインディレクターの鈴木真奈花氏は、試作を初めて試したときのガス不使用ミストのみずみずしく爽やかな感触に驚いたと振り返り、その驚きと喜びをデザインを通じて顧客にどう伝えるかが大きなテーマになったと語る。シニアマネージャーの野村美穂氏は、チームは開発当初から外出先で使いやすいものを目指しており、初回使用でその感覚が利用シーンを大きく広げると確信したと付け加える。

革新性は処方の訴求ではなく利用シーンにある。人前での塗り直しは、日焼け止めにおける現実的で未解決の瞬間である。

エアゾールの噴射音を取り除くという小さな機械的変更が、人前で使うという社会的文脈全体を解き放った。

パッケージデザインのプロセスは、機能の箇条書きではなく、体感——デザイナー自身の初回使用時の驚き——から始まった。

どの日焼け止めもUV防御を謳う市場で、1年で670万個という数字は、利用シーン優先のポジショニングが響いたことを示している。

カテゴリーに差別化の余地が残っていないときは、新しい利用シーンを発明し、仕様ではなく感覚を売るようにパッケージを設計せよ。

2023年12月26日公開の日経デザイン「ヒット商品の舞台裏」シリーズの一記事は、本製品を発売年にビオレブランド全体の成長を牽引した製品として記録している。その後の展開には触れていない。

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出典

  1. 花王の23年ヒット「瞬感ミストUV」 異色パッケージ開発の裏側 日経デザイン (Nikkei Design / 日経クロストレンド) · xtrend.nikkei.com ·