解決すべき課題
森から木材、建築へと至る時間スケールは資料や映像だけでは捉えにくいため、80周年記念プロジェクトでは、自社のHANEDA SKY CAMPUSの中で関係者がその哲学を身体的に感じ取れるようにする必要があった。
アイデア
自社の実在する本社をVision Proで歩く体験で、苗木が森になり木材が建築になる様子を表現。木漏れ日が導き、木製のハンドルが香りを添える。
仕組み
企画、体験設計、ディレクション、3DCG、アプリ実装はMESONが担当し、撮影、3Dスキャン、モデリングは梓設計のAXチームが主導した。Wood Entranceは創業者・清田文衛の直筆の言葉で始まる。Gate Forestは、舞台風のCGに立体映像の林業映像と3Dスキャンを組み合わせ、苗木を森へと成長させる。Archi Runwayは、キャンパスの滑走路のような空間をトンネルギャラリーに変え、環境、社会、心身の視点から木の建築を提示する。
成果
来場者数の指標はない。両社はこの体験を固定拠点にとどめず、展示会などへ拡張し、今後の仕事を開くために活用する計画だ。発表によれば、木に関する同社の専門性に対する顧客の信頼を築き、社内では従業員の誇りを育むことを目指す。
背景
東京の建築事務所・梓設計(Azusa Sekkei)は、2026年の80周年を記念し、XRスタジオのMESONとその研究部門AIRと共に「Immersive Wood Gallery」を共同制作した。自社本社HANEDA SKY CAMPUSをApple Vision Proの複合現実で歩く体験で、来場者がオフィスを実際に歩きながら、森から木材、建築へと至る循環を演出する。
体験は「木漏れ日」の手がかりで視線と歩調を導く。創業者・清田文衛の直筆メッセージを載せたWood Entranceで始まり、Gate Forestは、実際の林業現場で収集した立体映像や3Dスキャンと組み合わせた舞台風のCGで苗木を密林へと成長させる。Archi Runwayは、キャンパスの滑走路のような空間をトンネルギャラリーとして使い、環境、社会、心身の視点から同社の木の建築を提示し、最後は羽田という立地に結びつく。
ヘッドセットを保持するために作られた木製の旋盤加工ハンドルが素材の木目と香りを加え、実際の森で録音したナレーションと音が感覚のループを閉じる。視覚、聴覚、触覚、嗅覚をカバーする明示的なマルチモーダル設計で、林業、製材、設計、運用を一つの循環として捉えるAIRの「300年木材イニシアチブ」研究の下で計画された。
響く理由
森から建築までの数十年に及ぶ時間の広がりは、これまで資料や映像では捉えきれなかったため、同社は媒体として身体化、すなわち自社本社を歩くことを選んだ。
木製のヘッドセットハンドルが触覚と嗅覚を加える。これらはデジタル表現では偽装できない感覚であり、XRの物語を物理的な素材としての木へと結び戻す。
ギャラリーは同時に二つの対象に向けたブランドコミュニケーションを兼ねる。木に関する同社の専門性を信頼する必要のある顧客と、誇りと当事者意識を感じるべき従業員である。
持ち帰れること
物語の時間スケールがスライドや映像では伝えきれないときは、媒体を身体に変える。数十年を1時間で歩いて体感できるようにするのだ。
その後
梓設計とMESONは、この体験を固定拠点にとどめず、展示会での披露や他の形式へと広げ、そこで生まれる共感を将来の受注への橋渡しに活用する計画だ。発表には来場者数は記録されていない。
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出典
- 梓設計・梓総合研究所とMESON、木の循環と設計思想を体感するXRギャラリー「Immersive Wood Gallery」を共創―梓設計80周年記念事業として イザ!(SANKEI DIGITAL/PR TIMES配信) · iza.ne.jp ·